このブログを見てくださっている方の実家にかならずお仏壇があるとは限りませんが、どこの家にも当たり前のようにお仏壇があることを、私は不思議に思っておりました。
お坊さんとして生活していると、普通はそう思うことすらないかも知れません。
でも、
「お仏壇って、高いよなぁ・・・維持するのも大変だし・・・」
そんなことを考えることがよくありました。
高校生の頃、そんなことを考えながらお参りに向かっておりました。笑
そんなことを考えてた私は、お仏壇がある理由を全くわかっていませんでしたね。
今になって実感しております。
お仏壇は、私たちの生活を変えてくれるものでありました。
【お仏壇を購入する理由】故人のため?私のため?
お仏壇を購入するキッカケとして、「身内の誰かがいのちを終えた時」が圧倒的に多いです!
そのような時に、お仏壇を購入される方はどのような心境なのでしょう?
きっと、
「亡くなった方を供養したい!」
「亡くなった方がいる場所を作りたい!」
そのような故人を思いやる気持ち。あるいは、
「お仏壇を買わなきゃ親戚に怒られる〜」
「お仏壇屋さんやお坊さんにそこまで言われたら・・・」
という、「仕方がない感情」でお仏壇を購入される方がおられるかも知れません。
しかし、お仏壇は非常に高価なものであります。
もしも経済的に購入し難い方は、下のような、比較的安価で現代の住居に合うようなお仏壇を、お坊さんに相談の上に購入されるのもありです。
【浄土真宗のお仏壇】なぜ必要なのでしょうか?
浄土真宗ではいのちを終えたらお仏壇の中に故人が入るということはありません。
阿弥陀さまのおはたらきによりお浄土に生まれさせていただき、仏のいのちを授かるのが浄土真宗のみ教えであります。
「仏壇」という言葉は、「仏さまのおられる壇」とよむことができます。仏さまとは、阿弥陀さまのことです。そして、阿弥陀さまのさとりのすがたをあらわしたのがお仏壇であります。
お仏壇を通して、阿弥陀さまの御心に、私が出遇わせていただくことが大切なんです。
決して、「亡くなった方のため」だけではありません。
誰よりも私のすくいこそが本当の目当てである阿弥陀さまであります。
生きている私の口に「南無阿弥陀仏」の言葉となってあらわれてくださっている阿弥陀さまです。
その阿弥陀さまの御心を、毎日、少しだけでもお仏壇の前で味わわせていただきませんか。
お仏壇を「亡き方のため」ではなく、「亡き方を縁として私が出遇わせていただくため」の場とさせていただきましょう。
【お仏壇を通して救いを味わう】私達の生活に必要です!
現代では、「家庭内別居」という言葉だけではなく、家族間での殺人事件の割合も増加しております。
1日の中で、一度も家族と顔を合わせない家庭もあります。
それでは、家庭がバラバラになるのも必然的であります。
しかし、毎日、お仏壇に向かって合掌し、みんなで仏さまのことを思わせていただく時間をつくることによって、みんなが同じ方向を向くことができます。
今、そのような時間が必要でしょう。
そして、ともにお仏壇を大切にしつつ「私の人生の拠り所となってくださる阿弥陀さま」の御恩をお仏壇の前で共に思わせていただこうではありませんか。