
落語の演目で「小言念仏」というものがあります。
「なんまんだぶ、なんまんだぶ」とお仏壇の前でお念仏を称えている場面から始まります。
お念仏を称えながら色々な小言を言う、一見、お念仏をバカにしているような落語です。
実際、お仏壇の前でお経を称えている時に、ずっと仏様のことを思っているか、僕自身とても考えさせられた落語でした。
小言念仏
- おばあさんこっちおいでよ
- お仏壇の天井をご覧よ
蜘蛛の巣を張ってるじゃねえかよ
掃除をしなさい - お花を取っ替えなさい
- たまにはこの線香立てを掃除しろよ
- 鉄瓶がたぎってるぞ
鉄瓶の蓋がパックンパックンいってんだよ - 飯が焦げくせえぞ
「うちじゃありませんお隣です」
隣に教えてやりなよ、若夫婦なんだから - 赤ん坊がはってきたぞ
赤ん坊そっち連れて行け
お念仏の邪魔になるじゃねえかよ
連れてけよ赤ん坊〜
俺のツラ見て変な顔してんだよ
赤ん坊がなんか考えてるから気をつけろ
おばあさん、ちょっとこっちきなさい
ゆっくり持ち上げて、あ〜やっちゃったな - なんだよ、うるさいね
人がお念仏となえているのに話しかけるんじゃねえよ
お念仏の邪魔したら信心が入らんだろ - 今日の鍋に何を入れるって?
目の前をどじょうやが通ってるから呼んできなさい
どじょうやを入れるんじゃねえよ、どじょうを入れるんだよ
早く呼ばねえとどじょうやが言っちまうぞ
もっと大きな声でやばねえとどじょうやが・・・
どじょうや〜!どじょうや〜!なむあみだ〜! - どじょうや、どじょうやとお念仏
そのまま続いてゆきます。
お仏壇に向かっている時の心
実際にお勤めをしている時、時間のことや法話の内容などを考えてしまうことがあります。
「ずっと仏様のことを思っている?」
そう聞かれて「はい!」とは堂々と言えません。
そんな僕の心の中をそのまま示しているような落語でした。