
みなさまは、正座にどのようなイメージをお持ちでしょうか?
僕はお坊さんという仕事柄、他人の家の和室にお邪魔することが多いです。
お参り前に「正座は足が痛いから嫌やなぁ」という言葉を聞いたり、気持ちを感じることがあります。
今は椅子と机の洋室スタイルが一般的ですので、地べたに座ることも少なくなってきました。
地べたで座る場合も、座椅子かあぐらで作業する方が多いです。
しかし、普段はあぐらで作業していることを正座に変えるだけで、様々な作業効率が上がります。
今ページでは、正座のメリットについてつぶやきます。
正座は集中力を高めるのに有効な座り方です!
みなさまは、正座で書道やそろばんをしたら、時間を忘れて没頭していたという経験はないでしょうか?

正座したら足が痛いだけや!!
それが一般的なイメージだと思われます。
しかし、僕は、実際に正座をしないといけない状況だと集中力がアップするから不思議に思っていました。
地べたに直接座るかたちの中でも、正座は特に「やりたくない」かたちでしょう。
しかし、長いお経をあまり動かずに唱えているお坊さんのすがたや、落語家が原稿を間違えることなく、長い時間正座でお話されている様子を見ると、「正座には集中力を高める効果があるのかなぁ」と思っておりました。
そこで調べてみたのですが、正座で集中力が高まるメカニズムはとても簡単なものでした。
「正座」とは、言葉の通りに「正しく座る」ということであります。
正しく座る正座のかたちでは、骨盤は左右対称になり背筋も伸びやすくなります。
すると身体が吸収する酸素量も増えますので、呼吸を整え、脳のはたらきもよくなります。
正座によって忍耐力や集中力が上がります
正座が集中力を高めるのに有効な理由は証明されているにも関わらず、現代では正座をする機会が少なくなってきております。
「最近は落ち着きのない子どもが増えている」
この言葉を聞く機会が非常に多いです。
本当に落ち着きのないのは、「子どもが落ち着きがない」と言いながら、子どもの方に気を取られて集中していない大人だと思うけど・・・
「落ち着きのない子ども」に対して、「大人しくしなさい」と言って落ち着くはずがありません。
だって、そう言ってる大人の心は落ち着いてませんから。
それよりも、椅子やソファーではなく、さりげなく大人が正座する雰囲気を用意してみてはいかがでしょうか。
頭ごなしに注意して子どものやる気をなくしてしまうよりも、自然と落ち着けるような環境を用意できるような子育てがしたいものです。
また、正座で集中力が高まる理由は他にもあります。
正座で眠気が解消されます
食後はどうしても眠たくなります。
食事によって、胃に食物が入ってきた時、血液が胃に集中します。
すると、脳内の血液が少なくなり、思考力が低下してしまいます。その結果、眠たくなります。
しかし正座をすると、血液は上半身にだけ巡ってきます。
そして脳内の血液が少なくなるのを防ぐ効果があります。
その結果、正座をすることで眠たくなりづらくなります。

それとは逆に、食後に楽な椅子やソファーに座ったら、一瞬で眠気が訪れちゃいますよね。笑
リラックスできる時間ならば、休憩することも大切です。
しかし、食後であっても集中力を高めて仕事や勉強をしなければならない時間があります。
そのような時に、集中力を高めるのにも、眠気を解消するのにも効果的な正座を取り入れてみてはいかがでしょうか。