交流分析とは万人に必要な手法だった?エゴグラムも理解してみよう。

カウンセリングにも様々な手法があります。

中でも、交流分析という手法は人間関係の悩みに焦点を当てております。

人の抱える悩みは人間関係から怒っていることが多いです。

だからこそ、私たちがより良い人生を歩むためにも、ここで交流分析を学んでみましょう。

交流分析の基本的な考え方

「交流分析」は「人々の抱える悩みのほとんどは人間関係から発しているので、関わり方がうまくいけば悩みの大半は解決する」という信念に沿った手法です。

『嫌われる勇気』という書物で日本でも有名になったアドラー心理学でも、「社会での悩みは対人関係である」と規定されております。

実際、カウンセリングの場面でも、一人で生じた悩みを相談される方はほとんどおられません。

多くの方が他者からの目線など、対人関係のものです。

ですので、交流分析を学ぶことでみなさまの悩みも減る可能性が高いです。

一緒に交流分析について学んでみましょう。

交流分析は、以下の7要素を使って、クライエントのパーソナリティを客観的に把握し、実際に他者とどのように関わるべきかを検討し、クライエントの成長を促すことであります。

交流分析の7要素
  1. 自我状態
  2. 対話分析
  3. ストローク
  4. 人生態度
  5. 時間の構造化
  6. ゲーム分析
  7. 人生脚本

これらの7つの要素について、ここから掘り下げてゆきます。

【自我状態】エゴグラムの使い分けを理解して分析する

私たちの中には、以下のような5つの自我状態があり、出来事や相手によって無意識に使い分けられております。

自我状態(エゴグラム)
  • CP
    厳しい私(批判的な親)
    信念を主張する強さがあり、人に対して厳しいことが言える。その反面、命令的で人を非難したり支配したがることがあります。
  • NP
    優しい私(援助的な親)
    思いやりがあり、優しく親身になって面倒を見れます。その反面、過保護やお節介になり、黙って見守れずに手を出してしまうことがあります。
  • A
    考える私(理性的な大人)
    現実的・合理的で、論理的に判断できます。その反面、現実対応中心で夢がありません。考えすぎて行動が伴わないことがあります。
  • FC
    自由な私(自由な子ども)
    自由に表現でき、素直で人間味に富んでます。その反面、自分の欲求を満足させようと、相手に幼稚な印象を与えることがあります。
  • AC
    合わせる私(順応な子ども)
    相手に配慮し、協調的で集団の和を大事にします。その反面、評価を気にし過ぎ、対人関係に疲れてストレスを感じやすいこともあります。

私たちの自我状態は出来事や相手にとって使い分けられております。

ですので、これらの自我状態を自分がどう利用しているのかを理解して、自分自信を分析していくことが大切です。

【対話分析】クライエントの対話に関する問題が明確に

対話分析と聞きますと、「自分の対話を分析されているみたいで、コミュニケーション全般に関わるからなんかしんどいやん」と思われる方がおられるかも知れません。

が、その通りであります。

対話分析では、クライエントの問題を引き起こしている交流様式を見つけ出して改善を促していきます。

その際に、次に挙げているストロークの交換を見ていくのですが、分析する方法として、以下の3つの交流のどこに所属しているかを分析していきます。

対話分析 交流パターン
  • 相補的交流
    スムーズな交流
  • 交叉的交流
    行き違い・ちぐはぐな交流
  • 裏面的交流
    裏に本心が隠れた交流

これらの交流パターンがありますが、相補的交流はスムーズな会話を楽しめます。

しかし、それ以外の交流ではギクシャクしたストロークになります。

実際、相補的交流だけがお互いに無理しない対話ですよね。

行き違いが続くと「お話を聴くことも大切にして欲しいなぁ」という不満を抱くこともありますし、本心を隠すと「本当はこう伝えたいのに…」というモヤモヤを抱えてしまいます。

これらのクライエントの交流パターンが明確になると、クライエントの問題を改善することに繋がってきます。

誰もが相補的交流できれば悩みはありません。

対話で悩むこともあるのが人間関係です。

対話分析も万人にとっても大切な要素と捉えていきましょう。

【ストローク】相手への承認を大切にして生きたいから…

ストロークは他人の存在を認めたことをあらわす言動のことであります。

そう聞きますと、ストロークはすべて素晴らしいものだと思われがちかも知れません。

しかし、ストロークにもプラスのストロークとマイナスのストロークがあります。

ストローク


プラスのストローク

手をつなぐ、なでる、褒める、慰める、ほほえむ、見守るという、相手からもらうと気持ちが良くなるストロークのこと。



マイナスのストローク

殴る、ぶつかる、悪口を言う、けなす、見下す、軽蔑するという、相手からもらうと傷つきや痛みを感じるストロークのこと。

私たちは誰もがプラスのストロークを欲しいと感じ、マイナスのストロークを欲しくないと感じております。

しかし、ストロークがなければ存在価値を感じられなくなってしまい生きていけません。

その状態が実は危険です!!

ストロークがない状態になると、マイナスのストロークでも欲しくなってしまい、そのまま悪循環に陥ってしまうことがあります。

時には、マイナスのストロークしか与えてくれない相手であっても求めてしまいます。

そのような現状に気づくことで精神的にラクになる行動を選ぶことができるでしょう。

【人生態度】子ども時代に出来上がった対人関係形成能力

私たちは自分を育ててくれた養育者や深い関わりを持つ大人との関係から人とのふれあい方を学習していきます。

それを交流分析では人生態度と呼ばれております。

人生態度
  1. 自己肯定・他者肯定
    自分自身をありのままに受容し、他者とともに楽しんだりよろこんだりすることができます。
  2. 自己肯定・他者否定
    自分は他者よりも優れていると感じています。他者に対してイライラし勝ちで攻撃的です。
  3. 自己否定・他者肯定
    自分が他者より劣っていると常に感じています。逃げ出したい気持ちに囚われがちです。
  4. 自己否定・他者否定
    他者に対して常に疎外感を抱いています。劣等感や絶望感が強く、見捨てられた気持ちに落ち込むことがあります。

人生態度の中でも、「自己肯定・他者肯定であれば豊かな人間関係を築きやすいです。しかし、それ以外の場合では自分か相手のどちらかが負担を感じるため、豊かな人間関係を築くのは困難です。

特に自己否定・他者否定」は対人関係に強い苦痛を感じております。

すべての方がどこかの人生態度に含まれておりますので、クライエントがどの人生態度を取りやすいのかを理解していくことが非常に大切です。

また、クライエント自身がどの人生態度を取りやすいか理解しておくことで、自分自身を客観的に見ることもできます。

人は「私は、私は」という風に自分にいっぱいいっぱいの生き方に苦痛を感じます。

人生態度を明確にすることで一歩引いて自分を見つめ直す生き方をできるようにしたいものです。

【時間の構造化】6つの時間を構造化することで自分の理想が明確になります

時間の構造化をすることで、私たちは自分の時間の現実と理想が明確化されます。

私たちの生活そのものを見直し、変えていくために大切な要素であります。

時間の構造化は以下の6つに分類されます。

6つの時間の構造化
  1. 引きこもり
    物理的・身体的にはそこにいても他者と関わりを持たない
  2. 儀式
    自己紹介や挨拶など、社交的なやりとり
  3. 暇つぶし
    表面的な軽い気持ちで話す会話
  4. 活動
    目標達成に向けての行動について話し合うこと
  5. ゲーム
    相手を思い通りに操作しようとすること
  6. 親密さ
    お互いの価値観を承認するコミュニケーション

これら6つの時間をどのように使用しているか、そして理想はどのように使用したいかを明確にします。

そして、具体的に増やしたい時間を増やすためにできることを書き出していきましょう。

時間の構造化はクライエントの行動変化を促すのに非常に効果的なアプローチであります。

※補足ですが、コーチングにおいてもこの要素は重要になってきます。コーチングでは目的と現状を明確にするので行動が変化していきます。
カウンセリングとコーチングを組み合わせるアプローチが効果的であることがわかりますね。

【ゲーム分析】人間関係のトラブル作りを分析

人間関係のトラブルを作ってしまうことをゲームと呼びます。

また、私たちは無意識にゲームをしてしまっているので注意が必要です。

ゲームも言語だけではなく、身体や非言語的な表現など、様々な種類があります。

上に挙げた「ストローク」の中の「マイナスのストローク」の内容がそれにあたりますが、暴力的な行動や侮辱する方とは付き合いたくないと思うのが人間の性ですよね。

しかし、私たちは無意識にそのような態度を表現していることがあります。

人によっては腕を組むという行動一つでも威圧感を感じてしまいます。

ゲームを作っても得することはあまりありませんので、自分の行動を見直すことも大切でしょう。

【人生脚本】無意識に立てた人生計画

私たちは人生の中で無意識に造られた価値観に沿って行動しております。

それも、幼少期のうちに親や関わりの深かった大人の方の影響によって価値観が造られます。

価値観について、否定的な価値観が根付いていないかは注意が必要です。

否定的な親から育ちますと、「自分なんてどうせダメだから…」という価値観になってしまい、自分の存在価値を認められない方も少なくありません。

仏教的な考えですが、すべての方に善いも悪いもありません。

善い悪いというレッテルを貼られ、自ら貼りながら生きております。

その視点に立ちますとダメな人間も素晴らしい人間も存在しません。

私たちは人生脚本を無意識に作って生活しておりますが、人生脚本そのものを真っ白にして離れて生きることができれば本当にラクですよね。

誰もが変わる権利があります。

可能性の溢れる人生を送らせていただきましょう。

交流分析について学べる書物を紹介します