覩見諸仏浄土因 国土人天之善悪 建立無上殊勝願 超発希有大弘誓 〜「私たちの救い」のためだけに必死の修行をされた法蔵菩薩〜

覩見諸仏浄土因
国土人天之善悪
建立無上殊勝願
超発希有大弘誓

諸仏の浄土の因、国土人天の善悪を覩見して、無上殊勝の願を建立し、希有の大弘誓を超発せり。

「讃仏偈」が終わったあと、「すべての命をすくい取りたい」という法蔵菩薩の求めに応じて、世自在王仏は二百十億というお浄土を建立するための修行や、その国々の人民の善悪の状況を詳細に解説されました。それを聞き、ご覧になった法蔵菩薩は、この上なく勝れた誓願をお建てになり、世にも稀な大いなる誓いをおこされました。

法蔵菩薩が世自在王仏をお讃えになられるのとともに、「すべての命をすくい取りたい」という願いが「讃仏偈」に込められておりました。

その法蔵菩薩の願いに応じて、世自在王仏は法蔵菩薩のために法を説かれるのでありました。

世自在王仏を讃えられた法蔵菩薩の必死の願い

私は、この場面から「ただ、あらゆるいのちを救いたい」という法蔵菩薩の熱い想いを感じずにはおれません。

『仏説無量寿経』では、この場面について次のように示されております。

われ無上正覚の心を発せり。願はくは仏、わがために広く経法を宣べたまへ。
われまさに修行して仏国を摂取し、清浄に無量の妙土を荘厳すべし。
われをして世においてすみやかに正覚を成りて、もろもろの生死勤苦の本を抜かしめたまへ〉」と。
仏、阿難に語りたまはく、「時に世饒王仏、法蔵比丘に告げたまはく、〈修行せんところのごときの荘厳の仏土、なんぢみづからまさに知るべし〉と。
比丘、仏にまうさく、〈この義、弘深にしてわが境界にあらず。やや、願はくは世尊、広くために諸仏如来の浄土の行を敷演したまへ。われこれを聞きをはりて、まさに説のごとく修行して、所願を成満すべし〉と。
その時に、世自在王仏、その高明の志願の深広なるを知ろしめして、すなはち法蔵比丘のために、しかも経を説きてのたまはく、〈たとへば大海を一人升量せんに、劫数を経歴せば、なほ底を窮めてその妙宝を得べきがごとし。人、至心に精進して道を求めて止まざることあらば、みなまさに剋果すべし。いづれの願をか得ざらん〉と。
ここにおいて世自在王仏、すなはちために広く二百一十億の諸仏の刹土の天・人の善悪、国土の粗妙を説きて、その心願に応じてことごとく現じてこれを与へたまふ。
時にかの比丘、仏の所説を聞きて、厳浄の国土みなことごとく覩見して無上殊勝の願を超発せり。
その心寂静にして志、所着なし。一切の世間によく及ぶものなけん。

長いですね・・・

言葉も難しいですが、ここでは世自在王仏と法蔵菩薩のやり取りが示されております。

法蔵菩薩と世自在王仏の会話

法蔵菩薩と世自在王仏に関して、勝手に画像を使ったり、LINE風にしたりすることは、私にはどうしてもできませんでした。
見づらいかも知れませんが、ご了承ください。

法蔵菩薩
私はこの上ないさとりを開きたい!どうか私のために教えを説いてくれませんか?私はそれに従って修行し、諸仏のそれぞれの浄土の勝れたところだけを選び取り、清らかな未だかつてない国土をつくりたい。どうか、私に、この世で速やかにさとりを開かせ、すべてのいのちの苦しみのもとを除かせてください

世自在王仏
どのような修行で国土を清らかにつくることができるかは、そなた自身で知るであろう

法蔵菩薩
いいえ、それはひろくふかく、とても私に知ることはできません。どうか私のために、諸仏のそれぞれの浄土を建立するための修行をお説きください。私はそれを承り、お説きの通りに修行し、私の願いをかならず成し遂げます!!

その時に、世自在王仏は法蔵菩薩の志があまりにも深く広いことを知り、法蔵菩薩のために教えをお説きになられました。

お説きになられた後、世自在王仏は次のように述べられました。

世自在王仏
たとえば、大海の水をたった一人で升を使い汲み取るのにも、果てしない時間をかければ、いずれ底まで汲み干し、海底にある珍しい宝を手に入れることができるであろう。必死に努め励み、決してあきらめずにさとりを求めるならば、必ずその目的を成し遂げることができる。どのような願であっても、成し遂げられないものはないであろう

そう仰せになった後、法蔵のために、二百十億の諸仏の国々に住んでいる人々の善悪と、浄土の優劣を説き、法蔵の願いのままに、それらをすべてお見せになられたのであります。

そのとき法蔵菩薩は、世自在王仏の教えを聞き、それらの清らかなお浄土のようすを拝見して、この上なく勝れた願いを起こされました。その心はきわめて静かであり、その志は少しのとらわれもなく、すべての世界の中でこれに及ぶものがなかったのであります。

こうして建てられたのが、阿弥陀さまの四十八願であります。

法蔵菩薩の願いは、「私たちへの救いただ一つ」

上のやり取りから明らかなように、法蔵菩薩の願いはただ一つでありました。

「ただすくいたい!!」

そのために海の水を升で汲み取るほどの修行をされました。

私を救う願いを果たし遂げるためには、どのような苦難もさわりにはならない。それほどの願いを、今を生きる私たちが、聞かせていただいているということを知らされます。

また、法蔵菩薩は、阿弥陀如来という仏さまになったから私たちをすくおうとはたらき続けておられる方ではありませんでした。

自分が仏になることよりも、「私を救いたい」という願いが先でありました。つまり、「私たちをすくいたい」から、阿弥陀というさとりのすがたを示された方であります。阿弥陀さまとは、すくいが先の仏さまです。

そのような、「ただすくいたい!」「お前のすくいが先!」というお心のままに、南無阿弥陀仏というさとりのすがたを示し、私たちにはたらき続けておられる阿弥陀さまであります。

覩見諸仏浄土因
国土人天之善悪
建立無上殊勝願
超発希有大弘誓

漢字にすればたった28文字の中に溢れるドラマをともに感じつつ、法蔵菩薩のさとりのすがたそのものである「南無阿弥陀仏」のお念仏もうさせていただく生活を歩ませていただきましょう。

僕の大好きな「正信念仏偈」を味わう本です。

みなさまの優しいシェアをありがとうございますm(__)m